ウィクショナリーについての概要

さて、ウィクショナリー (主に日本語版の。ja.wiktionary.org) についてシリーズで文章を書いてみます。目的は第一に自分の考えをまとめることですが、同時にウィクショナリーについて知ってもらい、興味をもってもらえたらとか思ってます。それから、このブログで書くことは個人的なものであり、日本語版ウィクショナリーの公式見解とかそういうのでは一切ないので、そこのところ何卒。対象読者には、ウィキペディアで調べものをしたことはあるし、ウィキペディアが誰でも編集できる百科事典であるくらいは知っているけど、ウィクショナリーについては聞いたことがない、くらいの人を考えています。仮想普通人を作成するとそのくらいが妥当だと思うので。

ということで、まずはウィクショナリーとはなんぞ、というところから簡単に説明してみます。ウィクショナリーウィキペディアの弟(妹)分といったところです。ウィキペディアは百科事典で、ウィクショナリーは辞書担当です。ウィキペディアには他にも姉妹プロジェクトがいくつかありますが、ウィクショナリーはその中で一番最初(2002年末)に誕生したプロジェクトです。細かいデータはwikipedia:ウィクショナリーを参照してください。

ウィキペディアはいろいろな情報をとりこんで発展していくプロジェクトですが、ウィクショナリーも同じです。いろいろな言語のいろいろな語彙を収録していく辞典です。ウィキペディアだけじゃ駄目なの?という疑問もあるかもしれません。ある程度は、ウィキペディアでもウィクショナリーの代わりをすることができると思います。でも、やはり百科事典では辞典に届かないところがあるのです。例えば、例文や活用、訳語の羅列を百科事典のなかでやるのは、体裁的にも利用者的にも難しいです。実際、ウィクショナリーの項目は、内容も様式もウィキペディアの項目とはずいぶん異なるものになっています。あとで触れるつもりですが、これがウィキペディアからウィクショナリーに参加する際の大きなハードルの一つになっています。

ウィクショナリーがスピンアウトしたのは2002年末のとこで、その時の事情は知らないのですが(私がウィキペディアに参加したのは2004年1月、ウィクショナリーに参加したのは同年5月)、辞典的内容を記述する需要と、それを百科事典ですることに対するコンフリクトなどがあって、ウィクショナリーが作られたのではないかと推測します。